宙と姫/木立 悟
ばもどる うらはらの
足の指の先
やがて自身を 踏みしめる闇
結末が結末となる前に
ある日ふいに終わった想いが
幾度もめぐり めぐりめぐりて
かたちをかたちに震わせてゆく
夜を夜に翳し見て
そら ひめ かみ はな
またたきはまぶしく
失くすたび 苦しく
道の終わりを
覚えているひと
ひとつひとつ
ひとつひらく色
歯車の陽はほどかれ
衣の陽は星へ
空は空を
ゆうるりと割る
午後に轟く午後の鉱たち
海へ 海へ
晴れも曇もない
そのままへ
冠の端に花が咲き
枯れては咲き 枯れては咲く
自らを討つ武器のように
ひとかけらの容赦も無く咲きほこる
海は近づき うしろになる
夜を静かに連れてゆく
誰もいない水たまりの道
またひとつ雨がすぎてゆく
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