五十日目の日記/縞田みやぎ
 
ての信号はついていないし,マンホールというマンホールが盛り上がっている。場所によっては突き出している。どの方向に行くにも果てが見えない恐ろしいほどの渋滞。何はともあれ携帯を車内電源につないで充電する。相方にかける。つながらない。もともとエンジンの調子の悪い車であるのと,ガソリンは残り1メモリしかないのと。渋滞にはまっていたら,車そのものがだめになる。渋滞を可能なかぎり避け,多少回り道になってもと地元民の土地勘に頼って走り続ける。ラジオは仙台の被害を告げている。ちょっと待て仙台で津波ってどういうことだ,意味がわからない,三陸じゃないじゃないか。防災無線が何か叫んでいるので窓を開ける。「避難してくださ
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