雨のはしっこ/朧月
泣いちゃだめ
いつもいつもそう想ってきた
泣いちゃだめ
そう想うほど涙はわいてきた
ひとりにならなきゃいけない
泣いちゃだめ
弱くあってはいけないと
泣くことを自分に禁じたいのに
泣いてなにも言えないのじゃない
泣いて終わらせたいだけって
自分をみている自分がいる
抜け出して歩く道は
ぼんやり明りがふるるとゆれる
さっきまでふっていた雨のせい
雨はだれの肩もなにもかもを濡らす
どんなに急いだって
私すっぽり雨に包まれた
雨は受け入れがたい私なんて軽々
ぬらした
かえろう 変わっていないけど たぶんね
夜のはしっこつかまえた 気分で たぶんね
かえろう
私も一員だって
なににでもなく つぶやく/はしっこの
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