島 唄/アラガイs
 

(見よ―燃ゆる草花
雲)が波に食われてゆく
(潮つたう風は唄になり
唄はやがて大地に音を宿す
「藍染を手向けたいろはに
切れ袖を紡ぐ糸
」真実は諄々と 山を下り
浜裾の襟もとを這う朝焼け
「さよならを二度叫ぶ
産坐する弦に泣く」
(わたしはここで生まれて
この島で小さな石になる )
曳き舟に揺られながら
(五音 五音と語りつぐ
杖も 髪も )








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