神はまた遠く/
茶殻
雨と雨の間に岸があり
岸と岸との間には
ひたすらに薄暗い海が続いている
鴎はその青さのあまり光となり
灯台のあたりを
喚きもせず 揺れる
週末の地下鉄に
エンゲージリングを拾う
泥棒がいる
「千の冷蔵庫に
シャーレに閉じた
微笑を」
雨にうたう声
静かに眠れる
月になれたなら
枝と枝の間に空があり
空と空との間に
生まれない彼らの羊水が溢れている
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