四月二十六日/
古月
今宵、月面宙返りは
背丈の足りない僕の番で
ながい裾で隠せるほどの
失敗を見せてあげたい
たった一度
穴だらけの喉で唄えないのさ
追い立てられて火の輪をくぐる
硬い床のうえ尻餅をついて、はずんで
あおむけで見上げる
空中ブランコの恋人たち
ねえ
命がゆれる綱の下で
笑ってみせてくれないか
君が不安な夜にはきっと
うまく落っこちて見せるから
ねえ
去勢された猫の子どもと
おへその奥にブラックホール
ほんとうのことだけ
かなしいだけ
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