ゆっくりと坂を下りて/……とある蛙
ゆっくり坂を下りて行くと通りにぶつかる。
そんな場所で君と出会えたら
僕は何を言って良いか分からないが
でも、とても気分の良い一日が過ごせると思う。
難しいことなんか考える必要はなくて
そんな春の一日を過ごせることが
手のひら分の幸せなんてことを考えている。
学生時代の休日は本当はとても退屈なんだけど
頭に沢山の幸せの珠があって
それを一つ引き出しては
自分の部屋の窓から外を眺めて
物思いに耽る。
早く坂を下りて行かなければ
君と出会う瞬間が無くなってしまう。
少し身支度を調えて
髪も梳かして
サイモンとガーファンクルを聴きながら
僕の幸せな休日が始まる。
気分の良い一日が始まる。
あの日、あの時代へ
戻る 編 削 Point(6)