つつみ/草野春心
 


  うつむけば、
  いびつな砂利道。
  ぼくは陽を背負う
  ぼくは染みてゆく影



  見あげれば、
  ゆらめく電線。
  ぼくは見つめる
  ぼくは透明なひとみ



  感じる。
  陸、
  海、
  空に
  まるごと許され
  縛りつけられ、
  つつまれている。



  ふりむけば、
  やさしい空白。
  ぼくは君を思う
  ぼくはあの日降った雨



  ここにいれば、
  ぼくはすべて。
  つつまれたまま
  歩き出すならば



  歩き出すならば。




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