フラット/ホロウ・シカエルボク
いる、おれは手の中に汗をかいている、シャムロックはリピートされている、きみが絶対におれの方を見ないことは判っている、きみがこちらに顔を向けなくともおれのしていることを確認出来たりするようなことはない、どこにも、鏡の代わりになるようなものはない、窓のカーテンはすべて閉じられている、大丈夫だ、問題はない、あらゆる可能性について考えた、もう絶対に、失敗することなんてない……おれは音を立てないようにきみの後頭部に狙いをつける、いつかはこの手の中であたたかい温度を放っていたきみの頭部、もうそうじゃないなんてとても残念だ、それはこれから温度を失い、すこしは損傷もして、ソファーの上に転がって二度と思考しない……
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