鞄のこと/はるな
る。小さな窓を開けていても。
このところ、眠ってばかりいる。睡眠とはしたしい。ほとんどいつのときにも親しかった、唯一といっていいくらい。
男の子たちから、思い出したように連絡が来る。メールや電話で。男の子たちのほとんどは、わたしが住処を移したことをしらない。言っていないからだ。言う必要はないと思ったから。気軽に会えるから、だから会う。そういう男の子たちが必要だったのだ。そういう男の子たちに、いちいち身辺を報告する趣味はない。こちらから電話をしなければ、向こうも忘れてしまうくらいの関係なのだから。
だけれど、連絡がくるとそれはそれでうれしい。男の子たちは、あまり無駄なことを言わな
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