指きり/草野春心
 


  指きりをしよう
  サクマ式ドロップみたいな
  とりどりのたわごとが
  嘘にならないよう



  指きりをしよう
  またねという言葉で紡いだ
  ほそくつづく糸が
  途切れてしまわぬよう



  うけついできた
  たくさんの血肉と
  ほんのすこしの勇気で
  生きてゆくこと、



  変わってしまった
  たいせつなものたちの
  くらい影が落ちても
  歩んでゆくこと、



  指きりをしよう
  その心に、
  約束だ。



戻る   Point(7)