うまくとべない日/はるな
 
あかるすぎて
うまくとべない日
靴ひもを結びなおしたら
生まれ変われる気がした

経血のついたスカーフを
器用に蝶々にして
こうばしい花びらを
あつめて土にかえす

(あなたは
 おろかなんだから
 わたしのために
 傷つけばいい)

まちがいを
言えなかったあの日
うそをついたら
空が濁った

歌えるなら
こわくないさ

だれかが
わたしのために
泣きますように

夕やけが
まちを沈める
からだを開いても
うまくとべない日
とべないから
歩くことにした


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