太田姫/……とある蛙
 
桜ひらひら風の中

聖橋の南詰め
大きな大きな椋(むく)の木は
元宮稲荷の一口(いもあらい)

小野篁(たかむら)の霊験の
実はお狐、太田姫
それでも道灌ゆかりの地

こんこん狐の太田姫
何の因果か疱瘡に
息も絶え絶え
資長(すけなが)に
助けを篁(こう)の
白ウサギ

一口稲荷の霊験で
自ら江戸の白狐
鬼門に鎮座 太田姫

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