流域(good morning)/しもつき七
 
陽光のたもと


どうしてだろう
こんな流域で
聞こえたばかりの歌口ずさんで



ねがえりをうつたび
たがいちがいの腕がぶつかった
皆だれのことも等しく
ぼくたち
と呼ぶ
他人を含めた自己
名付けないという愛


  ベッド
  落下して、
  揺りかご


他愛ない空想に終わりはない
だってさいしょから友だちだった
果てなんてないと思った
はしゃぐ目が
切っ先のような子供


雨の
たくさんやって来たあの日
ぼくたちはここで起きあがって
またすぐ眠ったんだったよね
公民館の、あかない窓から
迫る月を抱えながら

[次のページ]
戻る   Point(8)