流域(good morning)/しもつき七
陽光のたもと
どうしてだろう
こんな流域で
聞こえたばかりの歌口ずさんで
ねがえりをうつたび
たがいちがいの腕がぶつかった
皆だれのことも等しく
ぼくたち
と呼ぶ
他人を含めた自己
名付けないという愛
ベッド
落下して、
揺りかご
他愛ない空想に終わりはない
だってさいしょから友だちだった
果てなんてないと思った
はしゃぐ目が
切っ先のような子供
雨の
たくさんやって来たあの日
ぼくたちはここで起きあがって
またすぐ眠ったんだったよね
公民館の、あかない窓から
迫る月を抱えながら
い
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