揚羽/藤鈴呼
 


途中 クレバスのように
クッキリと避けた 隙間に

長く伸びる 灰色の道や
青く澱む 小川が流れる

瓦屋根には ビニールシート
意思で ガッチリ 蓋をして

もう 神様の 涙すら
部屋の中には 入れますまい

白一面の 光の向こうに
顔を出したい ばっけが見える

黄色の たんぽぽも
桜の 花びらも

茶色の つくしんぼうも
きっと 舞ってる

そう ここは
ミルフィーユ タウン

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全てが 閉ざされたように 見えた
全てが 冷たいように 思えた

白と言う色は
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