てこずりのおもりはのろしのように/藤鈴呼
 
 お日様は
山際に 隠れ
気苦労も 耐えぬけれども
踏み締める 足元ばかりは
妙に 軽い

スニーカーの紐も
ジーンズのゴムも
唇の端も
思い切り 緩んで居るんだ

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

帰り道
もこもこの 君を探した

緑の茎に ひっついていたり
川辺で ひっそり 咲いていたり

部屋の隅で
まるんと いじけてみたり

表札の上で
文字通り 丸まる君は
時に にゃおん と
鳴いたりもする

逆立った毛は 
抵抗の 合図

毛並みが 鴉と 同系色だったら
忌み嫌われて しまうから
ちょっ
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