審査前夜/殿岡秀秋
うな積み重ねが
明日
審査を受けることに
繋がったのかもしれない
いよいよ
明日となって
静かに興奮してしまうのは
自然なことだとおもおう
今夜のようなことはぼくの人生にそれほどない
貴重な経験だから記録を残そう
パソコンをひらいてから
言葉を紡ぎだす
震えるこころは
いくら稽古しても変わりようがない
そんな自分を受け入れるために
言葉でこころを織って見つめなおしてきた
自分はこれでいいのだと
おもえるようになるまで半世紀かかった
たとえいくつになろうと
そうおもえてからがぼくの人生である
マラソンの宗茂選手がテレビで語っていた
自分はオリンピックの前夜熟睡したのに対し
弟の宗猛選手は眠れなかった
しかしレースでは猛選手が四位と健闘した
審査の前夜に
眠れないことが
いい結果につながることがあることを
信じよう
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