2006-2007 刺青、あるいは痕跡/はるな
それがまるでさいごだってみたいにせつないかおしてくれよ。
願うだけせつなくなることをなんでもして
*
いろいろな噛み心地のプラスチックを食んでいる感覚
自分自身をつみあげた先からとんと落とすときの快感
その余韻で遊び続けられてしまう幼稚さへの嫌悪感と
何を手にしたでもない癖にふっと訪れる喪失の手触り
世の中に存在する全てのものから隔絶している気がした
それは自分が特別だとかそういう事とは全く違っていて
紛れるが故の小狡い安心に世界の方が先に気付いた様な
中に残るのはどちらが取り残されたのかわからない不安
見抜かれていたことへの焦燥感と羞恥
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