菜の花のこと/はるな
て上げて、場違いなのは当然だ、と、安心していたいのかしら。
つめたいコーヒーを飲んでいたら、火照りはおさまってしまって、洋服はいらなくなってしまった。かわりに髪を染めようと思った。
かたちを変えることでしか、入れ替わり立ち替わる周囲の馴染むことができない。顔や、かみの毛や、洋服なんかを変えることでしか。そういうふうに外側を安易に色付けして、自分じしんも移ろいでいますよ、停滞していませんよ、と宣言し、そういうふうにしか混ざれない。だから髪を染めようと思った。
で、電車に乗っていたら、頬がまだピンク色の男の子の学生たちがかたまっていて、みんな制服がばりばり堅そうで、少しずつ身体より大きい。私
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