都市伝説の女/はだいろ
 
ひとつ、
実は、コントロールなんてできない。
だから、
むきだしのものが、けっきょく、
いつも新品で、
いつもいつわりがないのだろう。


あの人のことが、
ぼくは、好きになるという、
それは、
意志と勇気がひつようなのだろうか。
どんなきもちで、今夜、
あの人はいるのだろうか。
いま電話すれば、
まだ、起きていて、
たわいのない話につきあってくれるのだろうか。


通帳から引き出した、
3万8千円の証拠だけをのこして、
むきだしの魂をふれあい、
女の子は、
また、朝までのおつとめへ、
ぼくの部屋から、出かけて行った。
帰りぎわの笑顔が、
いちばんきれいだった。





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