三月十二日の話をする。/草野春心
 
の手には負えない問題だ。


断じてレトリックなどではない。ただの、ありったけの事実である。


しかし、詩を書くものとして、いつか僕はその「グラッ」をとらえたい。
鈍重なレトリックとして、飾りたてたものとして、消化し昇華してやりたい。
原発がどうとか、放射性物質がどうとか、死亡者数がどうとか、
そういう難しい話ではなく(それももちろん必要なことだし大事だ)、
あの怖ろしい「グラッ」をきちんと正面からつかまえて、閉じ込めてしまいたい。
誰に伝えるとかではない。自らの本能として思うのだ。
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