フレッシャーズ カット/和田カマリ
新しい
事業年度の
始まりの月
俺の会社にも
フレッシャーズが
やって来た
超氷河期を越えて
鳴り物入りで
やって来た
ハイパーな奴等
遠い昔
新人類と言われた
俺たち世代も
2年後には
やつらの靴を
舐めているかも
何か始めなきゃ
このままじゃ
やつらに
おもちゃにされる
皆が帰った後
アスクルで今日来た
新品のコピー用紙を
一冊丸ごと脇に抱え
重役室に忍び込んだ
いつだって悩んだ時は
この儀式をしなきゃ
何も始まんないんだ
B5の袋を開けると
エッジの効いた
元気のいいのを
一枚取り出した
人差し指の爪
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