コップいっぱい/草野春心
 


  コップ一杯
  ぼくは詩を差し出す
  もの珍しげに覗きこむと
  あなたは口をつけ
  なにも言わずにぼくに返した



  コップ一杯
  あなたは想いを差し出す
  空っぽのコップに愚痴りながら
  ぼくは口をつけ
  照れながら、あなたに。


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