いっぽんいっぽん/
因子
どうやらまつげをいっぽんいっぽん
抜いていく夢ばかりみる
癒すべき傷は
なんだかもう見当たらない
みわたすかぎり荒野には
わたしのほかに
だれもここへ傷をつけることはできないのだ
それをくりかえしくりかえしながら
こうしてあるいて生きているのだ
だからまつげをいっぽんいっぽん
抜いていく夢ばかりみる
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