2011、春/jin
 
なつかしい話は
きれいすぎて
この部屋の壁が溶けていきます

あしたのことより
思い出にさまよううちに
このまどろみが床に流れていきます

目をつむると
ランプくらいのあかりが
ずっと灯っている、ここ最近
内側で誰かが探検してるみたいに

眠たげなあのひともこのひとも
まぶたのあかりを見てるかな?

太陽のしたをあるくとき
大きなマスクで顔かくし
誰にも見えない内側で
十七歳の夜桜をひとりさみしく愛でてます。
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