沈黙/草野春心
 

  だだっぴろい教室で
  子どもたちは
  おもむろに武器をとった
  守るためではない
  苛むためであった



  かれらは笑うだけだったけれど
  かれは泣くだけであった
  子どもたちは
  かれらとかれの間に
  ありもしない
  卑劣な境界をひいていた



  ぼくは
  だまっていた
  沈黙の意味を知らないように
  だれを傷つけているのか
  だれが傷つけているのか
  知らなかった



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