「おさない はる」/ベンジャミン
 
まだおさない はるが
ちいさくわらうたびに つぼみがひらく
そうやって くりかえされてきた おなじことが
まったくおなじでないことに きづく
それは まだおさない はるの
そんな おさなさのせいではなく
そのなかで ちいさなこきゅうを くりかえす
いつまでたっても おさないままの
じぶんであることに
まだおさない はるが ちいさくわらう
そのたびに わたしは
そんな はずかしさを かくせずに
おさない はるが わらうたび
けんめいに ひらこうとする つぼみにむかって
つい なみだを ながしてしまう
そんな わたしのすがたを
まだおさない はるが
ちいさくわらって みつめている
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