白い人/佐々宝砂
跡傷の勢去指たれさ断切腕たれぎち
れさ殺もびたくいは人い白
り返裏は間時き巻逆は間空し曲歪は元次
る返り振
え悶身にき輝のそ
で窟洞の下地は人い白
るすとうこ輝どちいうも
てせま歪を貌相のそたっがあれくふ
が陽太たい老に鬱陰く赤
すら照を地大の朝もでれそ
3
白い人は浜辺を見つめ
見つめられることで
浜辺は姿を変える
夏から秋へ
夏は終わった!夏は終わった!と
鴎たちが叫んでは飛び交う
大きな波が退いてゆく
たぶん九番目の波が
紙の檻に囚われたまま
白い人は傷を数える
しかしこれが何度目の
何巡目の秋だったか
白い人は
もう思い出すことができない
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