白い人/佐々宝砂
 
     
 跡傷の勢去指たれさ断切腕たれぎち

      れさ殺もびたくいは人い白

り返裏は間時き巻逆は間空し曲歪は元次

              る返り振
          え悶身にき輝のそ
        で窟洞の下地は人い白
       るすとうこ輝どちいうも
  てせま歪を貌相のそたっがあれくふ
       が陽太たい老に鬱陰く赤
      すら照を地大の朝もでれそ





白い人は浜辺を見つめ
見つめられることで
浜辺は姿を変える
夏から秋へ

夏は終わった!夏は終わった!と
鴎たちが叫んでは飛び交う
大きな波が退いてゆく
たぶん九番目の波が

紙の檻に囚われたまま
白い人は傷を数える

しかしこれが何度目の
何巡目の秋だったか
白い人は
もう思い出すことができない




戻る   Point(1)