咲く花のひと/恋月 ぴの
 
君のこと愛しているよ
って
叫べるほどに誰かを愛したことあったのかな





おとこの子
男のひとを「きみ」って呼ぶ

私に似合わないのは判っているけど
敢えて、そう呼んでみた

そして好きとか
愛しているの度合いを

脚の長い水鳥が干潟でも渡り歩くように
いっぱいに拡げた親指と人差し指の間で測ってみせる

ふむ、このくらいってことか

自分を愛せなければ
他人を愛することなんかできない

そんなことばがあったような
なかったような





あきすとぜねこ

彼の名前と私の名前で占う
好きとか
愛しているの度合い

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