風邪/天野茂典
 
 

 風邪を引いて寝込んでしまった

 風邪はとつ然にやってきた
     
 咳と鼻水にやられた

 ティシュ一箱たちまちつかいはたした 

 風邪で寝込んでるのもの楽しいが

 風邪じゃなくばりばりうごきまわていられるほうが

 ずっとよい

 喉を遣られているので鳥のようにはさえずれないし

 テレビを見るのおっくうだ
 
 おでこと両わきの下にもヒエピタ張って

 熱さましに余念はないのだが

 もちろんアイスノンも使っているが

 なるようになれだ

 きょうも月一変のディケアがあるがゆけるかゆけないか

 五分五分なのだ

 パジャマも着ないで長袖にパンツであるき回ってきた付けなのだろう

 愛情には恵まれているのに

 医者の薬を飲んで安楽にているしかないのだろう

 風邪はからだの拘束である





            2004・11・6    
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