ペーパー/番田 
 
そして どこに向かうのだろう


そして どこに出かけるというのだろう
眠ることなど 忘れた
砂漠の中を 歩いた
降りしきる 雨の日に
何もないのだろう私の目の前には



ぼんやりと 歩いてきた
暗いホームの駅をたどりながら
自分である言葉もなくして


流れた時の赴くままに
白いままの日記を
そこで埋めるかのように遠くを見つめて


私は向かう
そこに何も見えなくなるぐらいに


風の中で呼吸することも忘れて
一体何をするというのか


たどり着いた
呼吸することなど忘れた私は何をする


どこに向かうべきなのか
私はそこにいるのだというのに



生きることもぼんやりと忘れてしまった
砂漠の中を歩いていった
私は 疲れた
降りしきる季節からのとても長い雨の日を


ただ そこに 何もないまま 私は生きてきたのだ
目の前を いつも 私はそこで睨んでいた
単に いつも 私は生きてきただけなのだ
ホームの暗い道の奥へと ぼんやりと走り抜けながら


戻る   Point(1)