ペーパー/番田
そして どこに向かうのだろう
そして どこに出かけるというのだろう
眠ることなど 忘れた
砂漠の中を 歩いた
降りしきる 雨の日に
何もないのだろう私の目の前には
*
ぼんやりと 歩いてきた
暗いホームの駅をたどりながら
自分である言葉もなくして
流れた時の赴くままに
白いままの日記を
そこで埋めるかのように遠くを見つめて
私は向かう
そこに何も見えなくなるぐらいに
風の中で呼吸することも忘れて
一体何をするというのか
たどり着いた
呼吸することなど忘れた私は何をする
どこに向かうべきなのか
私はそこにいるのだというのに
*
生きることもぼんやりと忘れてしまった
砂漠の中を歩いていった
私は 疲れた
降りしきる季節からのとても長い雨の日を
ただ そこに 何もないまま 私は生きてきたのだ
目の前を いつも 私はそこで睨んでいた
単に いつも 私は生きてきただけなのだ
ホームの暗い道の奥へと ぼんやりと走り抜けながら
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