同じなのは風だけ/あらら
月や空や星々
どれもぜんぶ違うとそう思いながら
夜空を見上げて街を歩いていた
同じなのは風だけだ
風だけが同じ
心と同じなのはただ風だけだ
凍えるように冷たい風や
生温かく鬱陶しい風
埃っぽく目を覆いたくなる風もあれば
そして今ここに居て
本当に良かったとそう思えるような
心地良い風もある
目には見えないのに
ただそこに在ると
そう感じることができる
一ところにじっとはしていないから
追いかけてみたり
捕まえてみたり
そして今このようにして
その静けさに耳を澄ませながら
互いに重ね合わすこともできる
同じなのは風だけ
そう思いながら夜の街を二人で歩いた
掌にあなたの心を感じながら
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