虹/涼深
見上げれば、空は青く
明日のことはおろか
一呼吸先でさえ、不確かだってことに
鈍感だったのかもしれない
足元の奇跡は
叫びたくなるほど脆いというのに
気がつかずにはしゃいでいた
目の前の道は
どこにつながっているのか
わからないけれど
昨日傷ついた心も
今日産声をあげた命も
枯れた涙も
溢れた微笑みも
途切れそうな、キミの祈りも
幾千の声が、想いが
溶け合った道だから
手探りでもいい
立ち止まってもいい
ただキミが
ただキミを
ただキミに――
見上げれば、雨上がりの空
彩やかな虹の道を渡る
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