ぬけがらです/
仁村仁亮
わたしは、ただのぬけがらです
今日は風が吹いていません
肉体的苦痛によってわたしを慰めてくれる風が
今日は吹いていません
そんな日はわたしにとって
とても、とても、
苦しい一日なのです
わたしは、ただのぬけがらにすぎません
今日も 夜がやってきます
夜はわたしに 冷たい蜃気楼のような感情を運んできます
その瞬間に、わたしの空洞化した胴体は
ずきん ずきん
と疼きはじめるのです
ああ、もうすぐ明日がやってきます
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