非実在日時の健全な使用に関する条令について/木屋 亞万
哲学的見地から議論が錯綜したが、追えば逃げる明日という概念の
存在を証明しうる論は現れなかった。そして同時に「今」と「過去」の概念に関してもか
ろうじて捕捉・観測はできているものの、不確定な部分を多く含んでおり今後深く検証し
ていく必要があるということが明らかになり、それを結論として議論は一つの終焉を見
た。
よって、我々は以後、明日という概念及び表記の一切を放棄し、今日という今このとき
を懸命に生きていくことに、国民生活の関心の一切を払うように、言語の改正を通じて促
していくこととする。また昨日を始めとする過去の例を鑑み、今日の活動へ生かしていく
ために従来の昨日を「日日」と「
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