「流星」/ベンジャミン
好きな歌をうたうように
自分の願いを言葉にできたらいい
今日はずいぶん湿った空
暗い雲のむこう側は見えないけれど
きっと今夜もいくつかの流星が
音もなく燃え走る
今日はずいぶん湿った空だけど
それで良かったと思う
突然の流星に願うことを
とっさに思い浮かべることができない
好きな歌をうたうように
自分の願いを言えたらいい
そういう気持ちはあるけれど
瞳を閉じても暗い空
何も浮かんでこない自分を抱いて
ただ宇宙のように広がる何もないところに
まるで星のような光の粒を探しても
それは願いにならない過去の記憶
もっともっと深いところ
届きそうで届かないところ
こころのそういうところにあるもの
今日はずいぶん湿った空だから
明日になる前に探しておこう
願い事は見つからなくてもいい
願う事を忘れていない
そんな自分を感じられたら
それでいい
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