君が腕を切った/
はるな
たべたになった体に
べたべたになった掌を押しつけて
君が腕を切った
言葉は奪われていった
誰でもないものに
何ものでもないものに奪われていった
空が残った
瓦礫も残った
でも何も残らなかった
膨らんだ体や
干からびた体が
毎日を待っている
生きていようとなかろうと
一日の終わりと始まりを待っている
もの言わぬ個体と瓦礫に囲まれて
君が腕を切った
君は腕を切った
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