空と川(火)/
木立 悟
拾い集めて
ふるえが描くふるえの円を
ただ見つめては積もらせてゆく
白の裏は白 ふちどりは蒼
風の影がすぎる
夜をつかみ 離すうた
そのもののうた
そのままのうた
空気と空気のあいだに
鉄の橋が架かり
傾きはじめている
それでも人々は
通ることを止めない
空から川へ
火が落ちてきて
火も空も川も等しく燃える
燃える野のむこう
燃える野がつづき
雨曇は遠くを歩き
雨曇は 遠くを歩く
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