空と川(火)/木立 悟
 
拾い集めて
ふるえが描くふるえの円を
ただ見つめては積もらせてゆく
白の裏は白 ふちどりは蒼


風の影がすぎる
夜をつかみ 離すうた
そのもののうた
そのままのうた


空気と空気のあいだに
鉄の橋が架かり
傾きはじめている
それでも人々は
通ることを止めない


空から川へ
火が落ちてきて
火も空も川も等しく燃える
燃える野のむこう
燃える野がつづき
雨曇は遠くを歩き
雨曇は 遠くを歩く




































戻る   Point(5)