愛に関する覚書と考察/はるな
合にはそれが良い結果をもたらすかもしれないけれど、大事なのはとにかくそのことを承知していることだ。
危険なのは、同じ気持ちだ、と、感じることだ。それはたいてい恋愛においてのことなのだけれど、ふしぎなことにそう感じたあとには同じくらいかなしい心もちになるのだ。「同じ」ではなかったことを知るからかもしれない。気付いてみれば、同じ場所に誰かと一緒にいられたことなんてなかった。
そういうのはたぶん、あとになって初めて気づくのだ。(ああ、あのときわたしたちは同じ場所にいられたなあと)。同じ場所にいるってことは、見つめあうことではない。見つめあっているだけじゃご飯は食べられない。ご飯がいらない愛なんて
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