愛に関する覚書と考察/はるな
まうのが不安だからだ。あるいは自分自身がなかなかそういう風に受け入れてもらうことがないから。いつだって自信がない。
たとえば裏切るという言葉があるけれど、いちど何かを信じたなら、それに裏切られることなんてないはずなのだ。信じるっていうのはそういうことだ。物事が自分の考えているのと180度くらい違う展開になるだけだ。妄信しろ、ということではない。自分以外を、自分ではないということを知っていればいいだけだ。いいだけなのに。それが難しいことのようになってしまった。歳をとるにつれて、それは難しいことになってしまった。
ただそこにあるもの同士で出会って、ただそこにいるもの同士として一緒にいられれば、それが一番だ。理由や意味や成果を求めることなく。
でもやっぱりそれも映画や小説に任せるべきことなのかもしれない。
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