この悲しみは/
吉岡ペペロ
何万人死んだって種としては生きながらえている
だからこれは種としての悲しみとは言えない
種の悲しみというものがあるとするならばそれは
生き残った種たちの妄想にすぎない
だから何万人の死を思うばかりでは
その悲しみは妄想と変わらないのかも知れない
生き残った何十万人の
これからの生を思わなければ
この悲しみは
この悲しみは
戻る
編
削
Point
(3)