命の悲しみ/吉岡ペペロ
 
空はあたらしくてあかるかった

すがすがしくって淡くって

ほのぼのとしてあたたかだった

あなたの匂いがとけていた


まんなかにつらなる街路樹が

もこもこと夕日を浴びていた

歩道につらなる裸木がまるで

石のように時間をとめている

あなたの遅い昼食を思うのは

きっと命が悲しいからだろう


空はあたらしくてあかるかった

すがすがしくって淡くって

ほのぼのとしてあたたかだった

あなたの匂いがとけていた






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