ちょうむすびとおりがみ/
木屋 亞万
法がなければダメだった
けんかするゆびで結んだチョウチョは
逆さを向いてごきげんななめ
色紙で折ったツルも
顔を不細工に歪めていて
ふしだらな白い裏地がチラチラ見えた
やがて筋肉が手の骨を包み込み
ゆびも長く伸びていった
今では指先も器用に動かせる
でもチョウチョもツルもご無沙汰で
もし子どもがいなければ
もう出会うことはなかった
ゆびの魔法は
親と子の間に起こる
ちいさな奇跡
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