ソング ・ オブ ・ インディオ/nonya
 

高く


高く


高い

妄想の吹き抜けから
真っ逆さまに落ちてきたばかりの
僕は

まだ
コンドルを頭上で旋回させたまま
誰もいない休憩所の片隅で
観葉植物をぼんやり眺めていた

どこかで
ポニーテールの経理課のチョリータが
いにしえのケチュア語で
僕の名前を呼んでいるような気がするが
もう少し呼ばせておこう

すらりと伸びた幹から
踊るように両腕を突き上げて
緑色と黄色のツートンカラーの
陽気な指先を広げながら
無機質なオフィスの窓辺で
歌い続ける観葉植物は

ソング・オブ・インディオ



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