「すべてがつりあいのなかで」/ベンジャミン
 
います

そんなじぶんをかんじるのもいやなので
ぼくはできるかぎりいきをひそめて
そっといきていたいとおもったりもします

けれどそれはあまりにさびしいので
ときどきぼくはよわむしになって
ちいさなむしのいっぴきのように
じぶんのいのちをうたいあげながら
そのばにあることのよろこびと
いきていることのかんしゃを
わずかなまんぞくをもとめてなくのです

かなうならそれが
よろこびでもかなしみでもなく
すべてがつりあっているせかいの
ひとつのりそうであるのなら

たとえばだれかのこうふくや
たとえばだれかのふこうなど
まるでかんがえもせずにいられるのでしょうが

きょうもこんなくらがりで
こうしてよどおしことばをふいて
ゆれるくさわらにまぎれながら

すべてがつりあうゆめをみて
いつまでもなくことをやめません
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