【薄色】/白こうもり
 
組み立てられた

空の下

落ち葉が土に

帰る頃、

分別できない

悲しみが

私の前を

歩きます。


( 祇園精舎の鐘の声 )


曜日を知らない

野良猫も

冬の寒さは

知っていて、

朝に夕にと

子を連れて

近づく雪に

備えます。


( 諸行無常の響きあり )


組み立てられた

街並みに

透明化した

雪積もり、

私の乾いた

瞳には

空が小さく

見えました。
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