くそやろうたちへ/とんぼ
わたしたちはみんなどこかへ帰る約束をしていた
4年間だけここへ来て、またそれぞれのところへ帰っていくのだ
毎日笑って過ごしていたけど、
一緒に生きる未来がないことをちゃんと知っていた
決められた時間が数をかぞえるみたいに正確に減っていくのをずっと見ていた
今日という決められた日が
一生忘れられないものになることもずっと分かっていた
終わりが道の先に見えてきた頃から
いつも通りお互いの悪口を言い合うみんなの
目だけが違うことにこっそり気付き合っていた
逃さないようにこぼさないように
お互いを見てた
忘れないでね
こんなに楽しく笑い合えた日々があること
なんて 言いたいけ
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