マニフェスト −No More Fukushima−/大村 浩一
満たして
地上波TVで娯楽番組が流れる
恐怖をまぎらわす事も必要だが
ここまで日常化させては
現実逃避と思えてならない
原爆の時はもっと大勢が助けに行った筈だ
怖さを知らなかったと言えばそれまでだが
いまの福島は私らにとって
余りにもよそごとではないか
命を削った人たちが虚しくなるような空騒ぎが
無事な地域で続いている
(そこで私はまた脅えてしまう)
でも俺たちは脅えるために産まれて来たのではない
シートンのぎざ耳兎だって
もっと積極的に自分を生きてきた
気づいたら
この場を切り抜けられたとしても
元気で居られるのはせいぜい20年
自分もそんな年齢になった
富豪ハワード・ヒューズのように
脅えて無菌室に閉じこもっていても
その中で老い朽ちてしまうことからは
逃げられない
でも俺たちは脅えるために産まれて来たのではない
シートンのぎざ耳兎だって
もっと積極的に自分を生きてきた
命のある限り精一杯生きよう
明日の太陽を信じて
生きられる限り
生に踏み留まって生きよう
2011/3/22
大村浩一
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