麻葉童子/ ****'04/小野 一縷
 
が遠く 遠い・・ 目蓋越しに 見える
 ああ けれど 眼をつむっても 無色の光に 焼かれるんだ−
 

 夢

−沈んでいる苔生した 石の沈黙を
 囁きで破る 気泡になって
 
 「きみの身体には もう居られない 時間切れだよ」と
 「次は誰のところへ 行こうかな」と
 
 緑の掌の童子が ぽっかり
 黒い淵 瞳孔へ 浮かんで 弾けて
 
 「じゃあね」と にっこり

 笑顔で 消えた−











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