遙か、月虹。/たりぽん(大理 奔)
密やかに正体を薄らげる
かすかな雲に七色のにじみ
月はいつもひとまかせで
美しい虹色の夜景を照らす
ネイルを数えるように
なにもかもを数える声
それらすべての合計は
生まれた数に等しい
月虹、
重さが知りたいだけ
あなたを照らすものを知りたいだけ
聖者のような警告も聞き飽き
ほんとうの暗闇を手に入れれば
街灯が僕を照らす
ひとまかせな、かげをまわす
今生きているぼくは
生まれたボクに等しいだろうか
密かに正体を薄らげて
なにもかもを
数える声
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